2024年1月から新NISAが開始されて以降、日本は空前の投資ブームに。円安や物価高が加速する中で、国民全体が資産を増やすことに著しく関心を持つようになったのです。
そして今、投資信託や投資信託や株式に変わる新たな投資先として、暗号資産は世の中に浸透しています。ビットコインやイーサリアムといった名前は、投資経験がない人でも耳にしたことがあるでしょう。かつては限られた人だけが話題に取り上げていた電子コインが、今では日常的にニュースで取り上げられるほど。
そして、事実としてたとえばビットコインの価格は過去1年で86.88%も上昇。このように、上場済みの銘柄ですら未だに大きな伸びを見せていることから、投資家たちは現在、上場前でさらなるポテンシャルを秘めた仮想通貨 これから伸びるを調査し、投資をスタート。DeFiプラットフォームや、チャットアプリによる高性能な取引ツールを提供するような、実社会に役立つ暗号資産に目をつけ始めています。
一方で、昨日までは高値を更新していたのに、翌日には急落していたという、落とし穴が暗号資産市場には存在。では、このようなボラティリティの高い資産とどのように付き合うべきか。その1つの答えが分散投資による「暗号資産ポートフォリオ」の確立です。本記事では、暗号資産ポートフォリオはなぜ必要であるのか、そしてどのように組み立てるべきなのかを順に解説していきます。
暗号資産ポートフォリオとは
投資の世界で「ポートフォリオ」とは、自分がどんな資産をどの割合で持っているかを示す単語です。株式なら、自動車やITといった業種ごとに分けたり、国内株と海外株を織り交ぜて持つ人も多いでしょう。暗号資産でも発想は似ていて、いくつかの種類を組み合わせて自分なりの全体像をつくることを指します。
暗号資産の場合、ポートフォリオの中心になりやすいのはビットコインやイーサリアムのような主要銘柄です。そこに価格が安定しているステーブルコインを加え、さらに成長が期待されるアルトコインを少し混ぜる。こうした組み合わせの比率によって、投資家ごとの個性やスタンスがはっきりと現れてきます。
暗号資産ポートフォリオがなぜ必要なのか
暗号資産市場は、他の金融商品に比べても変動が激しいことで知られています。突然の規制のニュースや地政学リスクによって大きく値が動くこともあれば、新しいプロジェクトの発表で一気に資金が集まることもあります。このように、何が起こるかわからないという不確実性そのものがリスクになるのです。
市場がこうした環境下にあるため、資産同士の性質が異なる分散投資は、大きな意味を持ちます。たとえば、ビットコインが下落しても、ステーブルコインの割合が多ければ全体の値崩れは抑えることができるでしょう。逆に、思いがけないアルトコインが急上昇すれば、全体の成果を押し上げることもあり得ます。暗号資産ポートフォリオは、リスクを減らす工夫であると同時に、新しいチャンスをつかむ仕組みであるといえるのです。
暗号資産ポートフォリオの組み方
投資目的とリスク許容度を考える
最初に、自身が何を目的として暗号資産投資を行うのか、明確にさせることが大切です。短期的に利益を狙いたいのか、それとも長期的に資産形成をしたいのか。目的によって適した配分は変わります。
また、このくらいの損失であれば許容できるという基準を持つことも大切。逆に基準が定かではない場合、損失を取り戻そうと多額の資金を費やしてしまい、想像以上のリスクを招く恐れがあるためです。
暗号資産の性質ごとに割合を決める
先述の通り、暗号資産はビットコインのような主要コインやステーブルコイン、アルトコインに分類することが可能です。
そして、投資初心者であれば、主要コインとステーブルコインを合わせて全体の7〜8割を確保し、残りをアルトコインに回すのが無難でしょう。具体的には、ビットコイン40%、イーサリアム30%、ステーブルコイン20%、アルトコイン10%といった配分が一例です。
経験を積み、市場に慣れてきたら、アルトコインの比率を少しずつ増やしていくのも選択肢になります。
定期的に見直す
暗号資産のポートフォリオは、一度決めたらそのまま放っておいていいものではありません。値動きが激しい市場なので、気づいたときには想定とは全然違う比率になっている、ということも普通に起こります。
だからこそ、半年に一度とか一年に一度くらいのペースで、自分の投資の目的と今の配分がまだ合っているのかを振り返ってみることが大切です。もし少しでも違うなと感じたら、割合を調整してみる。面倒な作業に感じるかもしれませんが、こうした小さな調整によって、長く投資を続けるための安定につながっていくのです。
まとめ
暗号資産は将来性が期待できる一方で、その値動きを読み切るのは簡単ではありません。だからこそ、一つの銘柄に頼るのではなく、いくつかを組み合わせて持つ姿勢が大切になってきます。
大事なのは派手な戦略ではなく、冷静に方向性を決めて、少しずつ調整を積み重ねていくこと。そうした地道なプロセスこそが、不安定な市場とうまく付き合うための現実的な方法であるのではないでしょうか。