最近では、リモートワークも当たり前になり、ビジネスにおけるデジタル化が凄い勢いで整備されています。しかし行政の業務や、市民向け公共サービスにおいてはなかなかデジタル化が進みません。その背景にはどんな課題があるのでしょうか。本日は課題と必要な取り組み、公共サービス等のデジタル化によって得られる恩恵について考えていきます。
公共サービスのデジタル化とは?
そもそも公共サービスのデジタル化とは具体的にどのようなものでしょうか?デジタル庁の政策概要によると、そのひとつに「マイナンバー制度の普及」が挙げられます。他にもハンコ文化を廃止し、電子署名を普及させること、政府共通のクラウドサービスの利用環境を整えること、サイバーセキュリティ、誰もが使いやすいUI・UXの実現、政府のWebサイトの統一化、ワクチン証明書アプリの開発、海外からの入国者の審査をオンラインで完結する仕組みなど多岐にわたります。
日本の公共サービスデジタル化の課題
では、これだけ明確にプランや目標を掲げているにもかかわらず、なぜスピーディに導入されないのでしょうか?
それは、行政のデジタル変革を実現するには、新しい技術だけでは不十分で、「法律や規制も変える必要がある」からです。そして、ある試算によると、オンライン公共サービスを実現するためには、6万もの国や地方自治体の規則を改正する必要があります。特に日本のように立法府の回転が遅い国では、ここが大きなネックとなってきます。
規則を近代化することは、技術を近代化することと同じくらい重要なことです。何万もの規則を3年ごとに変えていたのではいつまで経っても終わりません。より早く法律を改訂する全く新しいアプローチが求められています。
実は日本は世界でも進んでいる国でもある
こういった新しいインフラとテクノロジーを取り入れることは、一部の分野ではかなり進んでいたりします。例えば、暗号資産に関する法律では、帰省するような法律を立てる国がある一方で、日本は利便性向上に役立てようとするスタンスで、2017年4月から法律の整備を進めています。そして実際に、エンターテイメント領域サービスで、スポーツベッティングやカジノエンターテイメントを提供するオンラインカジノ クレジットカードだけでなく、暗号資産を使った迅速な決済を可能にしたり、ビックカメラのリアル店舗、Eコマース分野でも暗号資産決済の導入が実現しています。公共料金もビットコインでの支払いが可能になってきていますし、こういった仕組みを取り入れるルール作りとテクノロジーは人々に新たな利便性をもたらします。
日本において、ここ数年で急速に変化していること
根本的な課題を抱える日本ですが、ここ1、2年で、変革の兆しも見えてきています。新しいデジタル庁もその一環ですし、デジタルトランスフォーメーションのルール作りの面に取り組む重要な新しい取り組みがいくつかあります。
第四次産業革命推進センターは、デジタル時代の法律を形成しうる「デジタル原則」の策定し、規制をよりアジャイルにできるように進めています。つまり、「状況の変化に適応し、異なるニーズやリスクのレベルに合わせて調整できる、柔軟で応答性の高いルールを作れる」ように進めているのです。
様々なサービスのデジタル化が人々の暮らしを豊かにする
このように、一見ネガティブな印象しかない日本のデジタル化ですが、先進的な取り組みも随所に見られるようになってきました。世界で最も高齢化が進む日本という特殊な国で、あらゆる世代が利便性を享受できるデジタル化の成功事例ができれば、国際的にも牽引できる大きな実績となるはずです。